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歯科医師向け矯正治療例

下顎を意図して反時計方向に回転させて治療した症例

治療担当者:星 隆夫 星歯科矯正

治療前 Before Treatment

顔貌
顔貌
顔貌
顔貌
口腔内
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口腔内
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口腔内

治療後 After Treatment

顔貌
顔貌
顔貌
顔貌
口腔内
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口腔内

治療前 Before Treatment

治療方針

治療目標は開咬合、上突咬合、著しい叢生歯列弓の改善、上下顎左右側第一小臼歯、上下顎左右側第三大臼歯の抜歯が必要と判断。
上顎左右側にSASを埋入し上顎臼歯の遠心移動と圧下の固定源として使用。
下顎下縁平面を反時計方向に回転させることを意図した。
パノラマX線写真と問診して顎関節に吸収の既往が推測された。吸収の既往が推測されること、矯正治療に伴い顎関節の症状が出る可能性があることを患者に伝えた上で治療を開始。頑固な舌突出癖があるため治療中に舌のトレーニングを行うこととした。

顔貌
顔貌
顔貌
顔貌
口腔内
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口腔内
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口腔内
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模型
模型
模型
模型
模型
模型
セファロ
セファロ
パノラマ
パノラマ

治療後 After Treatment

顔貌
顔貌
顔貌
顔貌
口腔内
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口腔内
口腔内
口腔内
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模型
模型
模型
模型
模型
模型
セファロ
セファロ
パノラマ
パノラマ

治療前後の比較(セファロの重ね合わせ)

<左 セファロ>
治療前後のS-SNでの重ね合わせ(黒線は29歳11ヵ月、破線は31歳11ヵ月)

<右 セファロ>
治療前後の上下顎骨および軟組織の重ね合わせ(黒線は29歳11ヵ月、破線は31歳11ヵ月)

治療前後の比較(セファロの重ね合わせ)
治療前後の比較(セファロの重ね合わせ)
治療結果

上顎前歯は舌側に後退している。上顎大臼歯が圧下しながら遠心移動している。
下顎大臼歯は挺出せずにアップライトし、下顎前歯はすこし挺出している。
結果として下顎下縁平面は反時計回りに回転している。
これらの変化により臼歯の2級、過度の開咬合とoverjetが改善した。
下顎の回転に伴いポゴニオンは前上方に移動している。そのため軟組織も前方へ移動し側貌の改善に寄与している。
保定中もoverjet、overbiteは維持している。

治療経過 Progress

治療経過
治療経過
治療経過

開始時:上下顎にマルチブラケット装置を装着。

3ヵ月後にSAS埋入。上顎第二大臼歯にバンド装着。上顎犬歯とSAS間にパワーチェーン装着。
4ヵ月後に上顎第二大臼歯にバンド装着。SASから下顎前歯へ3級ゴムを装着し下顎の咬合平面のコントロールを測った。
8ヵ月で上顎に.016″×.022″stainless steel wire(以降SS wire)を装着。
11ヵ月で上顎に.018″×.025″SS wireのアイディアルアーチを装着。
15ヵ月から2級ゴムとU&Dゴムを使用。
18ヵ月に下顎アイディアルアーチ装着。
20ヵ月でマルチブラケット装置を撤去、リテーナーを装着した。上顎はベッグタイプ、下顎は5-5FSWを装着。
3級ゴムは6ヵ月、U&Dゴムは3ヵ月、2級U&Dゴムを4ヵ月使用した。
患者は15ヵ月目に第二子を出産した。

1ヵ月
1ヵ月
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3ヵ月
3ヵ月
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4ヵ月
4ヵ月
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5ヵ月
5ヵ月
5ヵ月
6ヵ月
6ヵ月
6ヵ月
7ヵ月
7ヵ月
7ヵ月
8ヵ月
8ヵ月
8ヵ月

8ヵ月:上顎に.016″×.022″SS wireを装着

9ヵ月
9ヵ月
9ヵ月
11ヵ月
11ヵ月
11ヵ月

11ヵ月:上顎に.018″×.025″SS wireのアイディアルアーチを装着

14ヵ月
14ヵ月
14ヵ月
15ヵ月
15ヵ月
15ヵ月
16ヵ月
16ヵ月
16ヵ月
17ヵ月
17ヵ月
17ヵ月
18ヵ月
18ヵ月
18ヵ月

18ヵ月:下顎アイディアルアーチ装着

保定 After Retention or During Retention

保定開始後2年11ヵ月。
途中第三子を出産した際、上顎リテーナーを使用せず前歯部の配列に乱れが生じた。
overjet、overbiteは維持している。

口腔内
口腔内
口腔内
口腔内

患者情報

咬合分類とコメント 開咬合 上突咬合 叢生
治療開始時年齢・性別 29歳11ヵ月 女性
動的治療期間 1年7ヵ月