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Yogosawa Foundationからのお知らせ

         
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第45回 与五沢矯正研究会 会長メッセージ

大会テーマ
「Yogosawa Foundationにおける概念」

-有機体として症例を捉える-

会員発表「私が経験した難症例」

 桜前線の話題がメディアを賑わす季節になりました。心に残るハワイでの40回記念大会から早5年。41回大会を軽井沢で開催できたのも束の間、コロナ感染拡大により、まさかの3大会連続でのリモート開催。この45回大会は新築のYogosawa Memorial Hallでのこけら落としとなる大会です。
 数名の有志が与五沢先生を囲んで1979年に産声をあげた与五沢矯正研究会も今年で45回を数えるまでになりました。歴史ある研究会の節目の大会を任せていただき光栄に思います。

 ディレクターは、2021年日矯横浜大会特別講演で「概念」について話をされました。概念は人を動かし、社会のあり方にも関わるということです。矯正臨床が危機的な状況に陥っていると言われて久しいですが、矯正臨床においても大きな方向性を示すことが重要だと説いています。われわれ会員一人ひとりが、概念をどう捉えどう行動するかが、これからのYogosawa Foundationの発展にとっても極めて重要だという思いも込めてテーマとしました。
 臨床のサブテーマとして「有機体として症例を捉える」とし、会員発表については本来我々にとって矯正治療の活躍のステージであるはずの成長期の症例を対象にし、咬合様式は問わず「私が経験した難症例」としました。Yogosawa Philosophyを学んできた会員ならばある程度診断や治療方針は近似したものになるのかもしれませんが、「矯正治療の主体は生体にある」という教えに従えば、似た症例であっても法則性を見いだすことは難しく、治療結果もすべからく良好とはいかないであろうこともまた事実だと思います。対応に苦慮し遠回りしながらもなんとかゴールを迎えることができた症例もあるでしょうし、ともすればそのまま葬りさられてしまうような症例もあるかもしれません。ゴールに至る過程はさまざまであり、正解が一つとは限らないことも矯正治療の特徴のひとつであり、難しさでもあります。成功と失敗をどこで線引きするかという判断は非常に困難です。今回はそうした症例から、個々の事実をみることで変容のあり方を知ろうという趣旨で企画しました。

 症例呈示もなるべくテーマに沿ったものを持ち寄ります。自分一人ではなかなか経験できない多くの症例をみる良い機会です。今回は、5名の先生による会員発表がございます。特別講演では日本歯科大学新潟歯学部附属病院総合診療科あごの関節・歯ぎしり外来で長年多くの顎関節症の治療にあたられてきた永田和裕先生をお招きしました。ディレクターからは特に印象に残った症例について披露していただくと同時に我々会員へ向けたメーセージを話していただきます。さらに、貴重な症例をご提供いただきましたので、会期中会場に展示いたします。

 春爛漫の軽井沢で皆様にお目にかかれますことを、副会長の丹田薫先生共々楽しみにお待ちしております。

第45回大会実行委員長 樋口育伸