研究大会報告

第33回与五沢矯正研究会報告

第33回与五沢矯正研究会は、開催時期が3月11日に起きた東日本大震災より1ヶ月余りという事で開催が危ぶまれましたが、星会長の『矯正医として出来る事は、歯科矯正の知識と技術を研鑽することである』の強い信念が通じたのでしょう、32回に続き、港町である横浜にて、粛々と開催する事ができました。
第33回副会長 山下 博史

日時 2011年4月17日(日)・18日(月)・19日(火)
会場 パシフィコ横浜
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル

日程

前日セミナー
(17日)
2回研究会に引き続き前日セミナーが開催されました。今回より澤端先生に担当役員として企画及び開催をお願いしました。 当日はオープン参加の方々も多数参加され、今回のテーマである『セファロのトレース』を熱心に習得、確認していました。
また、入会審査には2名の若い先生がチャレンジされました。
第1日目
(18日)
症例提示 32回同様の長期経過症例の提示に加えて、シンポジウム1に関連するI期治療を行った症例の提示もお願いしました。 会場のパシフィコ横浜はスペースに恵まれ、研究会開催期間を通して症例提示を行う事ができ、例年以上に熱心にディスカッションが行われていました。
シンポジウム1
『隠された秩序』をキーワードとして改めてI期治療を考える
与五沢先生に基調講演をお願いしました。 講演を通じて、我々矯正医の取るべき立ち位置を確認するとともに、今後の矯正臨床の検証を行うにあたり、貴重なキーワードを提供していただけたのではないでしょうか。 その後、5題の発表に続いてディスカッションが行われ、時間をオーバーする程の活発な意見交換が行われました。
1. 混合歯列期の矯正治療 与五沢 文夫
2. 第I期治療に関する欧米における最近の研究動向 竹山 雅規
3. 混合歯列期における矯正治療の意義 広末 善久・和島 武毅
4. 小さな個体から『隠された秩序』を読み解くことの困難さ 関 康弘
5. 早期治療をおこなった症例 -その後 妹尾 葉子
6. I期治療について-ドルフィン矯正・小児歯科の場合 山下 博史
 第2日目
(19日)
症例提示 ([ ]内はディスカッサー) 2題の症例報告が行われ、初めてアフィリエイト会員による発表がありました。 アフィリエイト会員は31回より設けられ、その制度は定着し、その会員数は10名を超えました。今後も積極的な研究会への参加に期待したいと思います。
1. 鋏状咬合を伴う上突咬合・下後退顎・両突歯列の一治験例 稲見 佳大 [和島 武毅]
2. 下突咬合の一治験例 高松 威志[廣島 邦泰]
シンポジウム2
『矯正治療のその後』から―『隠された秩序』を求めて II
6題の発表の後に『矯正治療後に安定している症例の秘密』について、示唆に富んだ仮説のもとにディスカッションが行われました。
1. 矯正治療のその後から 第32回大会にて見えたもの、見えないもの 有松 稔晃
2. 仮説・下顎前歯の叢生は経年的に増加する 星 隆夫
3. 下顎前歯の安定 朝倉 照雄 4. 舌癖が保定後の変化に与える影響について 長沼 一雄
5. 上突咬合、下後退顎、叢生歯列弓症例-治療(保定)期間と下顎前歯部の保定後変化との関係を考察する 澤田 美穂
6. CO-CR difference及び左側TMDを伴う上突咬合、下後退顎、両突歯列、叢生歯列弓症例 中村 順一

33回研究会は、32回の熱気をそのまま、もしくはそれ以上にして34回に引き継ぐ事を命題として開催され、その目的は果たせたと思います。
そして、東日本においては、戦後最悪といわれる災害が起きた約1ヶ月後に開催できたことは、研究会のみならず、日本の矯正臨床にとっても意義あることであったと思います。
新潟で行われる、34回研究会が更に盛り上がる事を期待しています。