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Q7.

Q:どうやって歯を動かすのですか?

歯並びや咬み合わせの治療をする際には、装置を装着して時間をかけて歯を動かすと聞きました。具体的にはどうやって動かすのでしょうか?
また、歯って本当に動くのですか? 治療によって歯がグラついたり抜けたりはしないのですか?

A:骨の代謝機能を利用し、ワイヤーなどで歯に緩やかな力を加えることで動かします。

代謝機能を利用します。歯の歯根はあごの骨(歯槽骨)の中で歯根膜という軟組織に覆われた状態で固定されています。歯を移動させようと歯に力を加えることで進行方向側の歯根膜が圧迫されると、歯槽骨の表面に骨を溶かす破骨細胞という細胞が現れます。これにより歯の移動方向側の細胞が溶け骨の吸収が起こり、その分、歯が動きます。
その際、移動方向の反対側では、移動により広がった分の歯根膜を元の幅に戻すため、歯槽骨の表面に骨芽細胞という新たな骨を作る細胞が現れて骨を形成し始めますので、歯の周りの歯根膜の幅は一定に保たれます。歯がぐらついたりしないのはこのためです。 少しずつ骨吸収と骨形成を繰り返すこと(骨代謝)で歯は必要な位置まで動きます。この際、かける力が強すぎると歯は動かないため、弱い力で時間をかけて移動させます。矯正治療に時間がかかるのはこのためです。
また、中には歯と歯槽骨が癒着(歯根膜の消失)してしまっているなどの理由で、そのままでは動かない歯もあります。適切な処置を行えば、ほとんどの場合は動かせますが、処置が必要かどうかを見極められないと「治療がなかなか進まない」といったことが起こります。そういった見極めと適切な処置を行うには、歯科矯正医側も経験と技術が必要となります。

歯を動かすテクニック

歯を動かすための装置も1種類ではなく、さまざまな装置が使用されています。大切なことはどんな装置を使うかではなく、理想的な位置に歯を動かし、きれいな歯並びと咬み合わせ・バランスのとれた口元・横顔に仕上げることができるかという点だと考えます。
私たちはスタンダードエッジワイズ法という、1本1本の歯を精密にコントロールしながら移動することが可能な技術を使用して治療を行っています。