研究大会報告

第34回与五沢矯正研究会報告

第34回与五沢矯正研究会は、池元太郎大会長の地元、新潟市での開催となりました。
今回の研究会のテーマは30回大会から33回大会まで続けて来た「矯正治療のその後」に対する考察から一歩先に進めて、保定後の変化も含めた一連の矯正治療の経過から「症例を通して適応を学ぶ」とし、「適応」の思考法を取り入れ治療結果をあらためて考察し直すことに主眼を置き企画しました。
今大会は新潟開催ということで、新潟大学、日本歯科大学の先生の希望者にはオープン参加していただきました。また好評の前日セミナーは3回目となり、前回の参加者から再開催の希望の多かった「症例の呈示方法」、「症例呈示におけるデジタル情報の処理法(パソコンでの指導)」の2テーマに関して、それぞれ澤端喜明先生、八巻正樹先生に講義していただきました。
初日の午前中は、成人の上突咬合と適応のヒントになるような症例のご提示をお願いし、午後は「成人上突咬合の矯正治療と適応」というテーマを掲げ、適応という概念からあらためて上突咬合の治療目標や治療法を考察しました。成人の上突咬合ではインプラントアンカーを使用して治療された症例を集め、そのような症例の治療前後の反応から、歯槽骨の応答、歯根吸収、上顎前歯の位置づけ、下顎のふるまいなどの再考察を試みました。新潟大学からも症例をお借りして、3名の先生に研究報告をしていただき、その後のシンポジウムでは多くの先生からさまざまなご意見をいただきました。
懇親会は日本海に沈む夕日を見ながらの最高のロケーションで開催されました。新潟大学出身の先生方に持ち芸をご披露いただくなど大変な盛り上がりでした。なかでも「かしまし娘」はトリにふさわしく会場全員の大喝采でした。
2日目の午前中は、テーマを決めず個々の症例を深く考察し直そうと四題の研究報告をしていただき、午後は「三次元画像と矯正治療」と題して与五沢先生に特別講演をしていただきました。CTから読み取れる、われわれが今まで見ることのできなかった領域に関しての貴重なご講演でした。また前もって32枚のパネルをご用意いただき、大会出席者によく理解いただけるようご配慮いただきました。与五沢先生にはこの場をお借りしましてあらためて御礼申し上げます。
以上のような盛りだくさんの内容になりましたが、先生方の日々の臨床に少しでも役立てていただけましたら、大会は成功だと思います。大会参加者は矯正臨床の経験の浅い先生から、すでに20年以上の臨床経験を有する先生まで幅広いため、テーマに対する興味や理解の程度が違い、すべての先生の満足を得られるような企画、内容は難しいと感じました。経験の豊富な先生はぜひあたたかく見守っていただき、活発に議論ができる研究会であって欲しいと思います
第34回副会長 大野 秀徳

日時 2012年4月16日(月)・17日(火)
会場 新潟市 ホテル日航

日程

前日セミナー(15日) 「症例の呈示方法」 澤端 喜明
「症例呈示におけるデジタル情報の処理法(パソコンでの指導)」 八巻 正樹
第1日目(16日) シンポジウム
「成人上突咬合の矯正治療と適応」
「成人上突咬合の矯正治療と適応」 大野 秀徳
「2例の成人上突咬合症例を振り返って」 笹川 美也子
「上顎臼歯部にインプラントアンカーを埋入した2症例」 竹山 雅規
「矯正用インプラントアンカーを用いた上突咬合症例の矯正治療から適応を考える」 中村 順一
研究報告 「非抜歯治療を行った上突咬合症例」 丹田 薫
「成人の上突咬合の治り方から適応を考える」 坂東 智子
「下顎頭の吸収が後戻りに大きく関与した上突咬合、開咬合、
下顎後退顎症例のその後について検討する」
樋口 育伸
「上突咬合・下顎後退顎症例における手術後の適応」 森田修一、三瀬泰
特別講演 「三次元画像と矯正治療」 与五沢 文夫