成人の開咬合症例
治療担当者:斎藤 卓麻 さいとう矯正歯科
治療前 Before Treatment
顔貌
口腔内
治療後 After Treatment
顔貌
口腔内
治療前 Before Treatment
治療方針
上下左右第一小臼歯を抜歯、エッジワイズ装置にて上下前歯を後退させることにより、前歯被蓋と口唇閉鎖機能の改善を図る。開咬の原因は舌癖による上下前歯の前傾と推察されたが、舌癖のトレーニングは治療中の歯の動き方を確認しながら必要であれば行うこととした。全顎的に歯根がやや短く、特に移動量の多い前歯部は歯根吸収を起こさせないように注意深く歯の移動を行う。
顔貌
口腔内
模型
セファロ
パノラマ
治療後 After Treatment
治療経過 概要
スタンダードエッジワイズ装置を装着してレベリングを開始。同時にアーチワイヤーにより上顎臼歯部を拡大して臼歯部交叉咬合の改善を図った。治療開始4ヵ月後にヘッドギアを装着、III級ゴムを併用して咬合平面のコントロールを行うことにより開咬の改善を図った。また同時に犬歯の遠心移動を行った。その後は通常のステップにて、前歯の後方移動、アイデアルアーチによる仕上げを行った。治療途中の歯の移動はスムーズに行われたため、舌癖のトレーニングは行わずに、舌に対してはスポットの位置を確認しただけである。
顔貌
口腔内
模型
セファロ
パノラマ
治療前後の比較(セファロの重ね合わせ)
上下臼歯が挺出しないで前歯が後退したことにより開咬は改善された。また、前歯の後退により上下口唇の突出感は消失し、良好なプロファイルとなっている。
治療結果
開咬、上下前歯の前傾、叢生は改善され緊密な咬合が得られた。上下前歯の後退により、口腔周囲筋の緊張は改善された。また、治療に伴う歯根吸収はほとんど認められなかった。
治療経過 Progress
スタンダードエッジワイズ装置を装着してレベリングを開始。同時にアーチワイヤーにより上顎臼歯部を拡大して臼歯部交叉咬合の改善を図った。
治療開始から3ヵ月後に臼歯部交叉咬合が改善されたため、エラスティックチェーンにて犬歯の遠心移動を開始した。
治療開始4ヵ月後にヘッドギアを装着、III級ゴムを併用して咬合平面のコントロールを行うことにより、開咬の改善を図った。
ヘッドギアとIII級ゴムを使用して2ヵ月後には、前歯被蓋が改善された。
その後は通常のステップにて、前歯の後方移動、アイデアルアーチによる仕上げを行った。
保定 After Retention or During Retention
上下顎にプレートタイプリテーナーを装着して保定を行った。
保定期間は1年11ヵ月である。保定中は特に大きな変化はなく咬合は安定していた。
顔貌
口腔内
模型
セファロ
パノラマ
患者情報
咬合分類とコメント | 開咬合 両突歯列 叢生歯列弓 | ||||
---|---|---|---|---|---|
抜歯部位 |
|
||||
治療開始時年齢・性別 | 20歳10ヵ月 女性 | ||||
動的治療期間 | 2年3ヵ月 |