Q9.
Q:「取り外しが可能な矯正装置」があるなら、それを使ってもらえないのはなぜですか?
A: 歯を動かすための装置はいろいろあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
患者さんにしてみれば、取り外しができるということは、メリットなのかもしれません。ですが、そのために治療の精度が落ちたり、治療期間が元々の治療計画よりも長くなってしまうのだとしたらどうでしょうか。
一見メリットと感じる「取り外しが可能」ということを裏返せば、歯を動かすのに必要な「持続的な弱い力を歯にかけること」を妨げてしまうことになり、理想的な位置に歯をコントロールしながら動かすのには不向きな装置といえます。
何のために治療を行うのか、優先すべきはどこなのか、患者さんの考えにより「取り外しが可能な矯正装置」の需要もあるのかもしれませんが。
Yogosawa Foundationでは「安心安全な矯正治療の普及と伝承」を目指しています。
そのため、技術を研鑽することにより歯科矯正医が思い描いたように歯の動きをコントロールできるようになる、ワイヤーとブラケットを使ったスタンダードエッジワイズ法による治療こそが、幅広い症状に対応可能であり、安心で安全な治療法と考えます。そのため当然、患者さんにはスタンダードエッジワイズ法による治療をご提案いたします。
もちろん、スタンダードエッジワイズ装置を使っての治療を強いるものではありません。ですが、治療を開始するのであれば、ご自身の治療の目的やゴールについて今一度ご検討いただければと思います。