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研究大会報告

第23回与五沢矯正研究会報告

第23回研究大会は沢会長のもとで、サクラ、コブシ、モクレンの花が満開の長岡で行われました。
当研究会としては初の試みとして、シンポジウムのテーマについて事前に会員にアンケート調査を行い、その結果について有松先生が報告しました。
発表形式は前回と同様にパソコンを利用した液晶プロジェクタ方式により行われ、今後はこの方式が定着していくと思います。

第23回副会長 夕田 勉

日時
2001年4月16日(月)・17日(火)
会場
ホテルニューオータニ長岡
日程
第1日目
(16日)
症例提示

シンポジウムのテーマとなっている症例、すなわち「唇顎口蓋裂」、「自家歯牙移植」、「骨性癒着歯」は、矯正臨床において遭遇する機会は各々の診療室で格差があり、また症例数も少ないことから、症例呈示のテーマは自由にしました。しかしながら、会員の協力により、提示の約半数がテーマに沿った症例で、会員の活発な議論が行われ、提示の時間を延長したにも関わらず、時間が不足したように思われました。
症例報告([]内はディスカッサー)

「成人開咬合症例の治験例より」
山下 博史
[河野 力]
「過蓋咬合を伴った上突咬合」 梶田 邦裕
[浜崎 広二朗]
研究報告([]内はディスカッサー)

「歯周治療における矯正治療の効果」
北園 俊司
[森田 修一]
「機能的な問題の認められる症例に対するアプローチ」 大野 秀徳 
沢 秀一郎
[小林 元夫]
「咬合分類について」 深町 博臣
[吉川 正芳]
第2日目
(17日)
アンケート報告

「口腔外科処置と矯正治療とのかかわり -唇顎口蓋裂・自家歯牙移植・骨性癒着歯について-」
有松 稔晃 
夕田 勉
症例報告([]内はディスカッサー)

「再植歯を抜歯部位とした特異的抜歯症例」
澤端 喜明
[本田 一郎]
「咬合の回復に矯正治療と自家歯牙移植を応用した症例」 松岸 潔
[星 隆夫]
「骨性癒着歯」 犬童 寛治
[八巻 正樹]
「左側唇顎口蓋裂を伴った過蓋咬合症例」 池 元太郎
[笹川 美也子]
「顎裂部に骨移植を行った症例と骨移植を行わなかった症例の検討」 夕田 勉 
浜崎 広二朗
[有松 稔晃]
研究報告([]内はディスカッサー)

「歯の移植、再植の治療と歯根吸収について」
山田 秀樹
[斉藤 功]
「自家歯牙移植の臨床」 嘉ノ海 龍三
[森田 修一]
シンポジウム

「新潟大学歯学部附属病院における唇顎口蓋裂患者の管理・治療について」
小野 和宏 
石井 一裕
「自家歯牙移植と歯根癒着の臨床的意義」 濱本 宜興

午前中はシンポジウムに先立ち、有松先生より、今回のテーマである唇顎口蓋裂、自家歯牙移植、骨性癒着歯についての7,000症例有余の膨大なアンケートの資料から、唇顎口蓋裂については骨移植時の年齢、予後、自家歯牙移植については移植時年齢、移植部位、予後、骨性癒着歯については部位、処置内容、予後などについて統計的な検討を行い、これをもとに矯正処置と口腔外科処置のチームアプローチにおいて、より良好な結果を得るための方法や、条件についての報告が行われました。また、アンケート症例の詳細については、症例報告、研究報告が行われ、活発な議論がなされました。
アンケート報告の資料が膨大なため、発表の時間を延長しましたので、以後のスケジュールが変更になり、演者ならびに会員に大変ご迷惑をおかけしました。
午後のシンポジウムでは、小野先生、石井先生によりHotz床併用二段階口蓋形成手術法と二次的顎裂部腸骨移植による唇顎口蓋裂患者の顎顔面部の成長発育について、pushback法施行例と比較し提示していただきました。
また、濱本先生には、自家歯牙移植の術式の要点と、歯根膜再生の条件についてお話しいただきました。歯根癒着歯については、基礎的研究から、歯根膜の特性について、提示をしていただきました。
その後、閉会まで充分な時間がとれたとはいえませんが、大会前にアンケート調査を行ったこと、そして事前にシンポジストにその結果を提示したことにより、多数の会員の活発な討論が行われたと思います。

来年は富山でお会いしましょう