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研究大会報告

第28回与五沢矯正研究会報告

第28回研究会は、宮下会長のもとで都ホテル東京にて開催されました。
今回は、一昨年の本田元会長の企画『矯正臨床を語ろう』に引き続いて、矯正臨床のなかで特に『上突咬合』にテーマを絞り企画されました。
症例報告と症例呈示は、上突咬合症例に限定して発表していただきました。研究報告ではテーマは自由でしたが日常の矯正臨床をさらに深く掘り下げた発表でした。また、シンポジウムでは、本田一郎先生と関康弘先生に上突咬合症例の詳細な治療経過を発表していただき、それに沿って会員全員で上突咬合の“むずかしさ”に関してディスカッションしました。

第28回副会長 原 省司

日時
2005年4月10日(月)・11日(火)
会場
ラディソン都ホテル東京
日程
第1日目
(10日)
症例提示 上突咬合症例のみを呈示していただきました。若手からベテランまでの100症例以上の様々な上突症例の治療結果が呈示され、各々に理解を深めることができました。また、新規入会診査を終えられた2名の先生の診査症例も併せて呈示されました。
研究報告([]内はディスカッサー)

「上下前歯の唇舌的移動に伴う軟組織プロファイルの変化について Part1」
齋藤 卓麻
[深町 博臣]
「上下前歯の唇舌的移動に伴う軟組織プロファイルの変化について Part2」 金井 鐘秀
[深町 博臣]
「診療システムの円滑・活性化方法について ~コミュニケーションノートを通じて~」 内田 輝
[早川 龍]
「舌側からの矯正治療について ~舌側からの矯正治療に必要な診療システムのバランス~」 和島 武毅
[星 隆夫]
第2日目
(11日)
症例報告([]内はディスカッサー)

「顎関節症を伴った開咬合症例(Skeletal Anchorage Systemを使用した症例)」
北園 俊司
[山田 一尋]
「上突咬合、開咬合、下後退顎症例」 樋口 育伸
[のき田 邦裕]
「上突咬合の一治験例」 田中 勝寛
[犬童 寛治]
「成人上突咬合症例」 矢沢 貴 
堀 正裕
[桜庭 啓]
「外科治療を拒否された上突咬合・上突顎・下後退顎・上突歯列症 三瀬 雄次郎
[石井 一裕]
「過蓋咬合を伴った上突咬合症例」 林 弘明
[鬼久保 平]
シンポジウム(司会進行:原 省司)
テーマ「上突咬合症例の治療経過報告 ~難しさについて~」
1. 「主旨説明、上突咬合の難しさと論理的(学術的)考察」 宮下 勝志
2. 「上突症例経過報告I」 関 康弘
3. 「上突症例経過報告II」 本田 一郎

このところ、異なる視点から矯正臨床を捉えようとする企画から外部講師をお招きした大会が続きましたが、久しぶりに全て自前の発表者による研究大会になりました。上突咬合を中心に日常の矯正臨床に関する発表が続き、若手からベテランの先生方まで実に多くの方からの質問や意見が交わされ、宮下会長の企画の意図通り、臨床にどっぷりと浸った研究大会となりました。