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スタンダードエッジワイズ症例

【症例10】成長を利用した治療計画
下あごは成長を利用し、上あごのみの抜歯で出っ歯を改善

治療者 河野 力 こうの歯科
咬合分類 でこぼこの歯並び(叢生歯列弓)上の歯列が出過ぎ・深い咬み合わせ(過蓋咬合・上突咬合) 
治療開始時年齢・性別 11歳4ヵ月 男性
動的治療期間 2年9ヵ月
抜歯
患者さんの症状 上の前歯が強く前方に突き出した、いわゆる出っ歯の状態になっており、口を閉じた時に上唇が突き出しているのがわかります。

■ここがポイント!

症例
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出っ歯で口元がとがっていた男の子が、精悍な横顔の青年に成長しました。

治療を始める前の段階で、精密検査の内容から成長後の顔立ち(特に口元の変化)を考慮し、上あごのみ抜歯して治療を進める判断をしました。

その結果、出っ歯の改善と共にバランスのとれた口元になりました。

■治療前 Before Treatment

症例
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突き出した上唇の状態から、上あごの抜歯は避けられないと考えました(上図緑丸内)。
下あごについては、成長してあごが前に出てきた時に口元が奥に引っ込んだ印象になってしまうことを避けたいと考えました。精密検査から判明した他の条件と考えあわせて、口元を後ろに下げる治療は避けることとし、下あごは抜歯せず上あごのみ抜歯をして治療を進めました。

口腔内

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上前歯が前に突き出し(出っ歯)、歯並びの乱れも見られます。

■治療後 After Treatment

症例
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精悍な横顔の若者に成長しました。
口元をご覧ください。突き出していた前歯は改善され、バランスのとれた口元になりました。
成長を考慮して口元をさらに後ろに下げる治療を避けたことが、良い結果につながりました。

口腔内

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  1. 正中がしっかり合っています。
  2. 左側奥歯の咬み合わせも改善し、しっかりと咬み合っています。
  3. 上前歯の出っ歯と、歯並びの乱れも改善しました。

■保定後 After Retention or During Retention

症例
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保定後の横顔でも、口元が奥に引っ込んだ様子はなく、安定しています。

口腔内

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わずかに下あごの幅に変化があり、下の前歯にやや乱れが生じていますが、全体の咬み合わせに変化は見られないため、このまま様子をみることにしました。

総括

初診時には下あごがやや後ろに位置していましたが、成長によって前方向に出てくることが予測されました。口元を後ろに下げる治療をすると、将来的にあごが前に出た時、相対的に口元が引っ込んだ印象になることを懸念し、それを避けるように考慮して治療方針を作りました。
結果として、バランスのとれたしっかりとした側貌となり、歯並びの改善を行うことができました。

お子さんの治療では、今後の成長を考慮することも大切です。
治療開始前の患者さんの状態だけを見てしまうと、その後の成長による変化を見落としてしまう可能性があります。将来の状態を予測し、どのような方法をとれば患者さんにとってバランスのとれた心地よい結果が得られるかを考慮するのも歯科矯正医の大切な仕事です。

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