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スタンダードエッジワイズ症例

【症例9】前歯と奥歯2か所の反対咬合の改善
スタンダードエッジワイズ法だからこそ複数箇所も治療可能

治療者 有松 稔晃 ありまつ矯正歯科医院
咬合分類 でこぼこ(上顎叢生歯列弓 )
左右のズレ(上下顎右方偏位、下突顎 偏位咬合 )
反対の咬み合わせ( 交叉咬合 下突咬合)
治療開始時年齢・性別 37歳4ヵ月・女性
動的治療期間 2年10ヵ月
抜歯
患者さんの症状 前歯の歯並びが特に悪く、下の歯が上の歯より前に出ています。また、下あごが少し右に寄る状態でもありました。

■ここがポイント!

症例治療前
症例
症例治療後

前歯と右奥歯の2ヵ所の交叉咬合(下の歯列が上の歯列より前に出ること)や上の前歯がでこぼこだった患者さんですが、正中もぴったり合い、奥歯もしっかり咬み合った大変きれいな仕上がりとなりました。

■治療前 Before Treatment

顔貌

症例
症例
症例
  1. (写真左)下唇が若干出ています。あごが通常よりも前に出ていることがわかります。
  2. (写真中央)顔の中心からあご(オトガイ)の中心が右に少しずれていることから、下あごが右にずれてしまっていることが見て取れます。
  3. (写真中央)右側口角が左側に比べてやや上方に位置しています。
  4. (写真中央)左頬は直線的、右頬はふっくらしていますが、これは下あごが右に偏位しているからです。

口腔内

症例
症例
症例
症例
症例

咬む時に上下の前歯が接触していることから、本来のあごの位置より少し前方で咬んでいるとみられます。

  1. (写真上段中央・右)下の前方の歯が上の歯より出ています。
  2. (写真上段左)右側の奥歯は反対咬合です。
  3. (写真上段中央)一見、上下の正中線は一致していますが、右側にずれた下あごの位置を生体が補正して正中線が合っている状態です。
  4. (写真下段右)上あごの前歯はでこぼこ(叢生)があり、下の歯と接する切端は摩耗が激しい状態です。
  5. (写真下段左)下の歯列については、前歯の高さがより伸び上がっています。

頭部X線規格写真(セファロ)

症例

<正貌X線所見>

左のX線写真からよくわかるように、上下のあごの左右高さが異なっています。特に、下あごではその位置のずれが顕著です。あごのずれを臼歯の歯軸を傾斜させることでその代役を果たし、上下の奥歯がきちんと咬み合うように生体が調節しています。歯が咬んでいない状態でもずれの程度は同様なので、咬み合わせによってずれが大きくなってはいません。

症例

<側貌X線所見>

  1. 上顔面部において、相対的に奥行きに欠ける傾向があります。
  2. 下あごの角の部分がやや大きいです。
  3. 下顎骨自体のサイズも相対的に大きいです。

■治療方針

上下左右第一小臼歯、下顎第三大臼歯を抜歯して治療を行うこととしました。今回の患者さんは顎間ゴムの使用が必要です。また、臼歯部の交叉咬合(反対咬合)は、下顎歯列幅径を狭めて改善することにしました。
さらに、下あごの奥歯の傾斜を精密に調節し、咬み合わせをきちんとすることとしました。

■治療後 After Treatment

顔貌

症例
症例
症例
  1. 治療開始時には下唇の方が上唇より出ていましたが、治療後は上唇の方が出るようになっています。

口腔内

症例
症例
症例
症例
症例

大変きれいな歯並びとなりました。

  1. 上の歯列が下の歯列をわずかに被う、正常な状態となりました。
  2. (写真上段左)咬合時において、右側の奥歯はきちんと下の歯列に上の歯列が正しく位置する状態になり、咬み合わせは十分安定しています。
  3. (写真下段右)上の前歯はでこぼこ(叢生)がなくなり、きれいな歯並びとなりました。
  4. (写真下段左)下の歯列については、歯の高さが揃い、しっかりとした咬み合わせができるようになりました。

■保定期間について

口腔内

症例
症例
症例
症例
症例

<保定後26ヵ月の変化>

保定直後から大きな変化は認められません。
下顎右側第二大臼歯、上顎左側第二大臼歯にクラウン歯冠補綴(被せもの)が施されました。

総括

動的治療期間は2年10ヵ月で終了しました。

前歯と奥歯の交叉咬合(下の歯が上の歯より出てしまうこと)が見られ、スタンダードエッジワイズ装置と拡大装置を用いた治療を行いました。
結果としては良好な咬み合わせが得られました。

症例

顎間ゴムの使用について

スタンダードエッジワイズの装置では治療の途中から患者さんに顎間ゴムを使用していただく協力が不可欠です。これなしにはきちんとした咬み合わせを作ることはできません。

生体の傾向を考慮したきめ細かい治療
今回の症例では、土台である上下顎のズレそのものは手術でしか治療できませんが、患者さんがご希望をされなかったため、土台自体はそのままに歯の位置や傾きに変化を加えることで、歯列とかみ合わせを整えました。その際、上下左右の歯列をただ均等にきれいに並べるだけではかえって患者さんの体にとっては負担になる為、もともとの生体の傾向を考慮した上でそれぞれの歯の傾きを細かく調整し、治療を行いました。 これは、マウスピース矯正はもちろん、同じワイヤー矯正であるストレートワイヤー法でもできない治療です。完全に全ての歯を歯科矯正医がコントロールすることができるフルオーダーメイドの治療、スタンダードエッジワイズ法だからこその治療でした。