技術向上を目指す歯科矯正医の皆さまへ
私たちYogosawa Foundationでは、これからの時代を担う歯科医師の方、「矯正治療技術を高めたい!」と熱い気持ちをお持ちの歯科医師の方へ、是非とも与五沢文夫が培ってきた知識や考えを共有していきたいと思っております。歯科矯正がさまざまな治療方法により進歩しているかに見えて問題も多く孕んでいる昨今、次の時代を担う『矯正家』へ知識や考え方などを含めお伝えしつつ、さらなる技術向上を目指し、共に切磋琢磨できる方をお待ちしております。
私たちの想い
歯科医師向けに矯正治療を簡単に開始できるという触れ込みで、マウスピース矯正などにみられるような矯正治療器具が発売されています。これらの装置で本当に患者さんが治るのなら問題ありませんが、これらの装置を使用することで再治療を行う例がとても多くなりました。例えば、100人の治療をして8割9割の人が治ればそれで良いのでしょうか?
それでプロと言えるのでしょうか?
また、歯科矯正医であれば、歯並びを整えるだけでなく、その人がもつ理想的な口元を追い求めることも重要です。当サイトには症例写真が多数掲載されていますので、ぜひ照覧ください。
そして、あなたがもし、もっと矯正治療の技術を研鑽したいというのであれば、Yogosawa Foundationの門を叩いてください。
現実を直視し、高い理想と努力を惜しまない歯科医師の方であれば、私たちの治療技術を惜しみなく伝授します。
矯正医療を志す者にとって、高いレベルの治療目標とそれに見合った技術力を維持することは当然の努めでもありプライドでもあると思います。
そして、患者さんが矯正治療をして良かったと心から喜んでくださることが、私たち歯科矯正医にとって何よりの報酬です。
お知らせ
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研究会・講習会のお知らせ
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最新情報・お知らせ
与五沢文夫ディレクター症例紹介
与五沢文夫ディレクターは歯科矯正の医学書にも登場する Dr. Tweed や Dr. Merrifield との交流があり、日本にスタンダードエッジワイズ法を持ち込んだ第一人者です。
長年の経験と高い技術力を保持した与五沢ディレクターの症例を紹介しています。
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強い下突咬合の偏位咬合、変則的な抜歯により治療した症例
偏位咬合/下突咬合/偏位顎/下突顎
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Ⅱ級2類の過蓋咬合、上下顎とも叢生は顕著で顎と歯牙サイズとの間でdiscrepancyが大きい症例
叢生歯列弓/両後退歯列/下後退顎/過蓋咬合
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顕著なⅢ級の下突咬合「下顎の回転効果」を有効に使えた症例
叢生歯列弓/上突歯列/上後退顎/下突咬合
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混合歯列期における下突咬合、第一段階治療、第二段階治療、非抜歯で終えた症例
非抜歯/過蓋咬合/下突咬合
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軽度の上突咬合の開咬合、第三大臼歯萌出に伴って開咬合となったと判断された症例
開咬合/上突咬合/両突歯列
与五沢文夫ディレクター開発のLLブラケット装置
LLブラケットは、長年矯正治療に携わり、1960年代からあらゆる装置を試してきた与五沢ディレクターが、自身の経験と研究に基づいて開発した装置です。通常のブラケットの機構に加えて、以下の2つの機能を含んでいます。
1.主線との摩擦(friction)のコントロール機能
必要に応じて主線との摩擦を小さくしたり、逆に摩擦を大きくする機能をもつ。歯牙を主線に沿って近遠心的に移動させようとする際には、摩擦が小さい方が効果的な移動が期待できる。また、移動させたくない場合は、摩擦を高めて主線と固定(lock)することもできる。その機能を使って固定歯と非固定歯とを使い分けることが可能となる。
2.歯牙の細かいローテーションのコントロール機能
ワイヤーの屈曲なしに歯牙の細かいローテーションを可能としている。また、必要に応じて治療中を通てオーバーローテイションを維持することも容易である。
~与五沢文夫著『矯正臨床逍遥』(p138)より抜粋~
これまでに経験したことがあるフルブラケットシステムには、Begg, Edgewise, Tweed system, Directional force system, Gug-ino および Ricketts によるBio progressive, Ormco の Lingualappliance などがある。いずれも原型のまま臨床に使い、それぞれの長所や弱点を体感した。どの方法も、治療開始前に装置の特性を予想したが、大きく外れることはなかったことから、私自身が選択した装置を変えることはなかった。
先輩からのメッセージ
与五沢先生は日本にエッジワイス法を広めた一人と言って過言ではありません。
大学院を卒業後幾度となく渡米し、1972年 ワシントンDCの Dr. Suyehiro の診療所での勤務を終え帰国直後、私達4人の友人にエッジワイズ法を教えて下さいました。それまでの日本の矯正は、FKO・双線弧線装置・Begg法等でありましたが、全く異なるシステムの矯正治療法に感動し、今でも忘れられない出来事です。
翌年には、現在も続いております先生自身の講習会がスタートいたしましたが、その間私たちは夢中でエッジワイズ法に取り組んでおりました。そして1979年、与五沢エッジワイズ法の継承と、講習会のアフターケアーをする目的から、与五沢矯正研究会が発足されました。
以来40年以上研究会は毎年開催され、会員が症例提示と、研究・症例発表を行い、症例提示は毎回100症例以上におよびます。自分以外の症例をつぶさに検討出来る充分な時間が設定されており、自分とは違った考え方や新たな知識を吸収できる場です。
与五沢先生が述べているセファロ分析の数値に捕われず、矯正した歯牙が生体にとって『心地よい状態か』そして『調和・順応できているか』を考える事ができる絶好の機会であり、今後の矯正治療にとって貴重な財産になっている事は間違いありません。
またこの研究会を通して、矯正のあるべき姿や治療に向き合う姿勢を話し合う機会もでき、機関紙『Monograph of Clinical Orthodontics 矯正臨床』等からも大きな影響を受けております。
最後に、与五沢先生が2020年に執筆された『矯正臨床逍遥』を是非読んでいただき、医療人与五沢文夫先生の矯正治療への思いを知っていただければ幸いです。
与五沢矯正研究会 研究大会活動報告
2019年9月から与五沢矯正研究会はYogosawa Foundationに合流し、40年以上の歴史を継続して年一回の研究大会を開催しています。
第45回研究大会報告
- テーマ:Yogosawa Foundationにおける概念
- 症例報告:桜田 明宏「成長発育を読み切れなかった症例」
- 症例報告:宮下 勝志「下顎小臼歯抜歯に苦慮した過蓋咬合症例」
- 症例報告:山口 賢「私が経験した成長期Ⅱ級進行性下顎頭吸収症例」
- 症例報告:宇津 照久「トランスファー患者の動的治療ゴールについて考える」
- 症例報告:有松 稔晃 「意図せぬ結果に終わった症例を振り返って」
- 特別講演:永田 和裕 先生「リハビリテーション理論に基づく多面的治療(MMT)」
- 講演 :与五沢 文夫 ディレクター「会員へのメッセージ」
第44回研究大会報告
- テーマ:Yogosawa Foundationに残すべきもの
- 症例報告:前多 啓博「過蓋咬合・アングルⅡ級2類の一症例」
- 症例報告:青砥 聖二「混合歯列期の過蓋咬合の一治験例 過蓋咬合,叢生歯列弓,両後退歯列」
- 症例報告:宮城 美恵「咬耗の著しいⅡ級過蓋咬合成人男性症例」
- 症例報告:三瀬 泰「上突咬合・過蓋咬合の一治験例」
- 症例報告:秋山 真人 「過蓋咬合の一治験例」
- 症例報告:坂東 智子「空隙歯列の過蓋咬合症例」
- 症例報告:大石 めぐみ「過蓋咬合・編位咬合・交叉咬合」
- 症例報告:小原 彰浩「上突咬合・過蓋咬合の一治験例」
- 症例報告:中川 公貴「過蓋咬合・下後退顎・上後退歯列・叢生歯列弓の一治験例」
第41回研究大会報告
- 特別講演:小長谷一夫様
- 与五沢文夫ディレクター講演:「系とシステム」
- 松岸潔先生:「安全で確実な医療」(研究報告・症例報告)
- 山口賢先生・山下博史先生:Yogosawa Foundationが社会に担う役割について
第40回研究大会報告
- 与五沢ディレクター特別講演:「矯正臨床のあゆみ」
- 原研究会会長:「与五沢研究会,これからのかたち」
- 会員38症例の症例提示
第39回研究大会報告
- 澤端義明先生:「成長期のセファロトレースと重ね合わせを学ぶ」
- 症例提示
- 金井鐘秀先生(座長)
- 柿木隆介先生:「かゆみと痛みの脳内認知機能」と「咀嚼が脳活動に及ぼす影響」
- 辻 孝先生:「次世代歯科治療としての歯の再生」
- 研究報告
第38回研究大会報告
- 澤端義明先生:「成長期上突咬合症例のセファロトレースと重ね合わせ」
- 症例提示
- 与五沢文夫ディレクター特別講演:「成長期の上突咬合~変容の軌跡を探る~」
- 討論:素質(基体)と二次的要素
第37回与研究大会報告
- 澤端義明先生:「症例の提示方法を学ぶ ~成長のあるケースでセファロの重ね合わせ~」
- 症例提示
- 与五沢 文夫ディレクター特別講演:成長期の上突咬合 ~それらの治療に関わる現在の私の見解~
- 研究報告